パンとお皿

多分パンにも皿にも特に言及しません

20190302

朝。タラコ、玉子焼き、雑な味噌汁。

昼。塩パン、カレーパン。

夜。ササミの揚げ焼き、しっかりした味噌汁、ルッコラのサラダ。

 

子供と二人で『ドラえもん のび太の月面探査記』を観に行く。

のび太に「僕たちは信じる力で繋がっているんだ!」みたいなつまらない台詞を叫ばせるCMが好きじゃないのでどうなる事かと不安だったのだが、この台詞が本編には全く出てこないという嬉しい誤算。

話の運び方や登場人物の役割分担が周到で、最後までストレスフリーで面白く観ていられる良作だった。既存の少しマイナーな道具をここぞという所で使ってみせて観客を喜ばせたり、序盤から丁寧に散りばめた伏線を後半でどんどん回収するといった、ドラ映画の醍醐味とも言える楽しい要素はしっかり押さえてくれていたし、メインの少年少女4人の描き方が、後半に至るにつれてどこか『ストレンジャー・シングス』めいた雰囲気が漂ってくる所も楽しかった。悪役の声をフルスロットルで演じる吉田鋼太郎が、さすがの上手さと迫力で緊張感を高めてくれていた事や、映画では前作から参加している服部隆之のスコアが作品に風格を添えていた点も好印象。

 

ところで、これは多くのドラ映画において多かれ少なかれ共通する話ではあるのだけれど、本作においては殊更、ドラえもんの行為が随所で、絶対的な力の行使によって他の生命の在り方まで左右する、神にも似た強さを伴っているように感じた。特に最後の展開はもはや「神の代行」という域。

 

そして自律して考える機械であるドラえもんが無邪気さや善意から取った行動が結果的に善良なる神の代行者としての振る舞いに至っている事と、本作に登場する別のある機械が紆余曲折を経て邪神の代行者の如く振る舞うに至っている事との間には、コインの裏表のように緊張感に満ちた関係が結ばれている……と感じるのは考えすぎだろうか。まあ良いか。作品が生み出された後に、それをいかに自由に捉えるかは、鑑賞者の側に許された権利だ。